ゲッセマネの園に踏み入ったジーザスたち
d0079799_156291.jpgオリーブ山の麓にある「ゲッセマネの園」

聖書の時代からのものといわれる老樹が数本残っています。当時は木々が広がる園、gardenらしい場所だったのでしょうか。

ジーザスの声を、この木たちは聞いていたのでしょうか。


さて、JCSの中で、自らの死が避けられないものであると知るジーザスが、たった一人で神と対話する重要な場面、「Gethsemane ゲッセマネの園」というナンバーがあります。


「ゲッセマネの園」を聴けば、ジーザスを演じる人が作品をどう解釈しているかが分かるナンバーです。演出家や音楽監督がどうあがいても、この場面でジーザスが観客に伝えるものについては一切力を及ぼすことができない、ある意味、冒すことの出来ない領域なのではないかと思います。
今日は3人の「ジーザスたち」のゲッセマネの映像を引っ張り出しました。3つとも観るのは時間がかかりますので、お暇な時にでも・・・。




d0079799_23484486.jpg73年の映画でジーザスを演じたテッド・ニーリーは、他のどのジーザスよりも弱々しく見えるし小柄ですが、彼のゲッセマネはジーザスが大衆をひきいるリーダーとなりえた力強い部分を象徴しており、コンセプトアルバムのイアンギランに通じるようなロック・スピリットにあふれていると思います。

テッド・ニーリーのジーザスが好きな人は、私も含めてですが、テッドがジーザスの人間らしい部分と神々しさを実にきめこまやかに繊細に表現しているところに惹かれているのではないかと思います。
美しいかと思うと惨めな姿をさらし、強いかと思うとあまりにも小さくて弱い。そのすべてをゲッセマネに凝縮して歌っていると思います。

YouTubeからの映像はこちらで観ることができます。



d0079799_1171695.jpg私はスティーブ・バルサモという、JCSがロンドンでリバイバル公演された時に大変な話題になった人のゲッセマネも好きです。

彼が英国のTV番組でゲッセマネを歌うのを聴いて、ロイド・ウェバーが感激のあまり涙したというのは有名な語り草になっています。この出演の直後、JCSの切符はおよそ30分で160,000ポンド売り上げ、バルサモといえばゲッセマネと連想されるくらい有名になりました。

YouTubeで、実際に彼がロンドン公演中に出演したテレビ番組での同曲の映像もいくつかあるのですが、どうも彼の実力が発揮されているとは思えないので、2004年6月に開催されたMusicals at Ahoy! Rotterdamというコンサートで熱唱する姿をご紹介したいと思います。最後にジーザスがI'm sad and tiredとつぶやく場面で、バルサモは、はらはらと美しい涙を流します。演出ではない何かがそこに見えます。

彼のジーザスはライフログにも紹介している1996年のLondon Castアルバムで聴くことができます。バルサモについては、また機会をとらえてご紹介したいと思います。


d0079799_156473.jpg日本で最初にジーザスを演じた鹿賀丈史が歌ったゲッセマネも印象深かったです。当時はまだうら若き乙女(一応)だった私でしたが、彼のゲッセマネに男の色気を感じてファンになったのでした。

日本のジーザスは、山口祐一郎の初舞台ジーザスを観ていますが、その後、ぱったり観に行っていません。いまだに切符が取りにくい公演のひとつだそうですが、機会があったら是非、現在も人気の日本のジーザスを観てみたいです。

JCSエンスーさんが、那由他さんに観てもらいたいとコメントしていますが、2000年のブロードウェイキャストによるフィルムもYouTubeでかなりの部分を観ることができます。以前、少しご紹介したグレン・カーターのジーザスによるゲッセマネの園です。グレンはとにかく美しい顔立ちと長いカーリーヘアが印象的です。舞台での彼のジーザスを観てみたいと思わせる人です。

深い考察は抜きにして、この3人を並べて、ジーザスって演じる人によって、そして時代やステージ(or プロダクション)によって、随分と違うんだなあということを観るのもなかなか楽しいと思って、代表的と思われる3人のジーザスに、ゲッセマネに集結してもらいました。

ご感想などいただけたら嬉しいです。
by tomokot2 | 2006-08-30 00:48 | ジーザスたち | Trackback | Comments(7)
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Commented by グリーンアイル at 2006-08-30 09:30 x
JCSに疎くてスティーブ・バルサモという名前を知ったのも実はWWRY関連です。(^^ゞ 2年前JCSがイギリスの古城で上演された時WWRYの元キャストのケリー・エリスとクリス・ホランドが出演しました。
フォーラムに写真が載っています。古城を背景にJCSというのも風情があっていいですよね。
http://wwry.queenonline.com/viewtopic.php?t=6878&postdays=0&postorder=asc&start=15
Commented by tomokot2 at 2006-08-30 09:52
古城のJCSの写真、ありがとうございます!ケリーだ!マグダラのマリアですよね。まだ写真しか見てませんがあとでフォーラムも読んでみます。
バルサモが故郷のスタジアムのオープニングセレモニーでゲッセマネを歌ってるのは見ましたか?ゲッセマネをサッカーだか野球の試合前に歌うっていうシチュエーションに度肝を抜かれました。イギリスではJCSは、もう普通に極上のエンターテイメント作品になってるっていうことみたいです。WWRYに対しても英国メディアは冷たいけど、JCSもクイーンもヒドイ扱いだったので、みんな同じ道をたどるのかな。きっと、WWRYも何十年も演じ続けられる作品になりそうな気がしませんか?(^_^)v
Commented by JCSエンスー at 2006-08-30 10:22 x
ペルシャ猫さん

73映画でのテッドは神の子ジーザスとして主(神)との対決姿勢(すごく挑戦的?)を前面に出して苦悩を表現しているのがよく分かりますね。また、岩山に登らせての対話は場所として最高ですね。グッドロケーションだと思ってます。この時ノーマンもやったと思ったのでしょう。そして、あのWhy should I die? Alright, I'll die!の絶叫はテッドしかできないし神の子ジーザスじゃないと似合わないよね。テッドが神の子としか見えない!

04アホイのコンサートのスティーブは歌・感情表現・演技が上手いですね。96ロンドン25周年記念アルバムのジーザスはスティーブが歌っておりますがJCSの中でもベスト盤じゃないかと思われるぐらい出来上がりが良いです。スティーブのステージを一度観てみたいものです。スティーブのシャウトはテッドと違って人間らしく聞こえます。

(その2に続く)
Commented by JCSエンスー at 2006-08-30 10:23 x
ペルシャ猫さん

(その2)
00ビデオのグレンは人間ジーザスが主(神)より与えられた受難に戸惑う姿を表現してますね。ゲイルの演出でジーザスを完全に人間にしてしまったのは本来のJCSの姿なのかなと最近思ってます。アンドリューとティムがロックオペラの形式でJCSを創ったのはジーザスを人間として扱いたかったからじゃないかとも思ってます。グレンのAlright, I'll die.はつぶやくように歌ってます。主(神)の絶対的なパワーに太刀打ちできない絶望感が漂ってますよね。

この代表的な3人のジーザスは見応え有ですね!
Commented by tomokot2 at 2006-08-30 22:52
3人のジーザスについての見方は私もまったくJCSバカ一代さん、じゃなかったJCSエンスーさんと同じです。
「ゲッセマネの園」については、歌う人は、本人が本当に感じたままにしか歌えないと思うのですよね。ごまかしようがないし、ウソもつけないでしょ。たった一人で数分間、観客を自分に引き寄せて、歌い続けるんだから、何も見逃してもらえない。一言でも流すように歌ったりしたら、すぐバレちゃう。そういう意味では、オペラの有名なアリアと似てるかもしれませんの。私は、光と陰をいったりきたりするテッドのゲッセマネは、聞き飽きることがないんですよね~。ハイ。私を、テッドばか一代と呼んでいいですから~。
Commented by camelstraycat at 2007-02-07 21:44
ペルシャ猫さん、こんばんは。
初めてバルサモの映像見ました!すごい!
う~ん、素晴らしいです。私はどちらかと言うとメロディーを聞かせてくれる人の方が好きなので、バルサモが好みです。
しかしほんとに感動しました、絶唱ともいえるゲッセマネ、振り絞るような叫びはまさに神の声、神に近づいたものの声ですね。
ペルシャ猫さんのサイトに出会えて、こんな素敵な映像を見せていただいて感激です。
Commented by tomokot2 at 2007-02-08 00:41
straycatさん

バルサモさんの映像、いいですよね~。
これ見てオランダで彼のファンクラブが結成されたんだって、ブログにコメントを下さっているJ.B.さんが教えてくれました。
「ゲッセマネ」一曲を何のセットも前フリもなく歌ってこれだけ表現できるってどういうこと!?と彼にとりつかれたようになって、私は今じゃ大ファンです!97年にジーザス役を降りて7年も経過しているのに、これだけ歌えるっていうのは、やはり「選ばれし者」だな~と思います。ジーザスを演じる人には特別な何かがあるって感じがしちゃうんですよ、私。芸術家が作品を創造する瞬間に、上から何かがふってくるんだ・・・という表現をしますが、バルサモが歌うときには、荘厳なオーラに包まれて、すごい光を発しているような感じがします。でも、人間としての痛みが見る者の胸にせまってくるんですよねぇ。
・・・・おっと、熱くなってしまいました(*´o`)ポッ~~
今のバルサモさんもとっても「イイ男」です。the storysの映像もあちこち貼ってますので、どうぞそちらもお楽しみ下さいませ~_(_^_)_
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