久しぶりのジーザス・クライスト=スーパースター
行ってきましたよ、浜松町の自由劇場。

芝さんがジーザスを演じるということだったので、どんな役作りなのかな~という点に興味がありました。
鹿賀、山口、柳瀬、金田さんのジーザスを観てきて、芝さんって、ちょっと雰囲気が違う役者さんのように思えました。私は芝さんはユダ役でしか観たことなかったのですが、ルックスとか声質とか、”四季のジーザス”のイメージとは違うよなぁ、どんなジーザスになるのか、想像がつくようなつかないような。そんな気持ちで当日を迎えました。。

ソワレだったんですが、劇場に到着する時間が開演ぎりぎりになりそうで、少々焦っていました。
メトロに乗ってすぐに目に入ったのが、座っている女性の足元にある大きな白い紙袋。
会社名が入っていました。

JCS

あは001.gif
なんかこーゆーことで、つい頬が緩んでしまう私なのでした。

無事、開演前に劇場に到着して、プログラムを購入。
ほんとは買うつもりじゃなかったんだけど、”初演から40周年を迎えて”としてティム・ライスのインタビューがあったので、まぁ記念にと思いました。
四季に期待することはありますか?という質問に『チェス』をやって欲しいなあとライス氏は答えてました。
プログラムには毎回、海外メディアでどのように報道されたかとか、評価されたとかの同じような記事が出ているのですが、掲載する必要があるのかなぁ。
どれも山口ジーザスだったし、決して最近の舞台の話じゃないのになあと不思議に思うのは私だけ?



さて、いよいよ開演。
う~ん。ちょっと音量が低い。
スピーカー通すとあれ以上だと音割れでもするのかなぁ。
小さい劇場だし、お客さんの耳触りにならないという配慮かしら。
生演奏じゃないので、もう少し迫力あって欲しいなというのが最初の印象。

でね、ジーザスの登場シーン。
うん?こんなあっさり出てきちゃうの?と拍子抜けするくらい、さらりと現れた芝ジーザス。
すごくスレンダーで長い髪。柳瀬さんのジーザスのイメージを踏襲してる感じでした。
柳瀬さんと違うのは、やはり、申し訳ないけど年齢かなぁ。
これまで、四季ジーザスの特徴は「若さ」&「美しさ」
なにせ、演出家は「一人の美しい若者の物語」としてこの作品を作り上げてきましたから。
瑞々しさよりは、渋いジーザスになってました。

声は申し分なく美しいのですが、こぉ、クラシック的なので、シャウトやスクリームといった必然性を感じない。
もともとJCSって「ロック・オペラ」でして、感情の高ぶりにはそういったロック的な表現がちりばめられているのだけど、感情を押し殺したジーザスさんが、急にファルセットで「お~~~」とか歌うと、どうにも唐突な印象。
オクターブ下げて歌ったほうが自然だし、こぉ、秋川雅史さん風に歌ってくれたらいいのではないかしらんと思いました。

芝ジーザスは、『今宵安らかに』で、マリアから”苦しむのはおよしなさい。落ち着くのです。”と香油を塗ってもらうシーンで、ユダの挑発的な言葉に全く動じた様子もなかったので、それこそ既に”冷静そのもの(ピラトの歌詞)”で、苛立ちなどは表現してませんでした。

『最後の晩餐』の場面、十二使徒たちが歌うコーラスが、たいへん讃美歌チックで、きれいにハモっていまして、ユダが去ったあとも、その美しい歌声が響いてました。

四季の演出では十二使徒というのは、虐げられた民の代表という感じで、ほとんど民衆たちと衣装も同じみたいで、ぼろぼろ&からだも汚れメイクしてるんですが、その彼らが、きれいな言葉遣いで、讃美歌を天使のような声で合唱しているという、不思議なアンバランス感が漂っていました。

『ゲッセマネの園』で、ジーザスの振り絞るような演技炸裂か?と待っていましたが、芝ジーザスはその演技力を最後まで封印していたようで、それは私は大変残念に思いました。
鞭打ちシーンと磔の場面は、目をそむけたくなるという感想もあるようですが、私は今までで一番、惨さ的には控え目だったように思いましたよ。なんでだろう。。。
もっとも、動的で強烈なシーンなんだけど、照明がやわらかくて、灼熱の砂漠の印象が薄かったな~。

あとね、全体的に衣装は何をねらっているんでしょうね。前回とそう変わってないんですが、疑問がわいちゃった。
司祭やピラトの頭の上にあるものが何を象徴しているのか、支配するもの、されるもののコントラストが無い。
『スーパースター』を歌うユダとソウルガールズの衣装が、ダークで天国から歌ってる感じが無いんですわ。そのかわりヘロデ王のシーンは明るくて、あんな感じでユダがやってくれたらいいのいな、なんて思いました。

私は、JCSとはこうあって欲しいというのは、あんまりないんです。
受難劇的に演出するプロダクションもあれば、無国籍風とか時代を超越していたり、やたらロックアレンジだったり、いろいろあって、それは演じる側が表現したいようにすればいいと思っているんです。
でも、普通に感動したい。熱くなりたい。別世界に連れて行ってくれるのが劇場空間だと思うから。

しかし、この四季バージョンに関しては、あまりにもおとなしすぎて、大変物足りなかった。
ジーザスが一人の「人間」としてというよりは、何か「仙人的」というのかなぁ。
そして全体として、音楽的にもビジュアル的にも訴えかけてくるものを感じなかった。なんというか、たいへん薄味でございました。

そして、私は大変申し訳ないのですが、カーテンコールの途中、なるべくお邪魔にならないところらへんで、退席して外に出ました。
当日のキャスト表をもらうのを忘れたけど、ま、いっか~と引き返しませんでした。

帰りに浜松町からJRに乗った瞬間、またしても乗客の持つ紙袋に目を奪われました。

TED'S BAKERY

行きも帰りも、何かに見守られていたようですよ、私。
by tomokot2 | 2011-04-21 01:22 | ペ猫が観た舞台・ライブ | Trackback | Comments(14)
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Commented by bijou3369 at 2011-04-21 06:26
>たいへん薄味

ほら、日本人は薄味好きだから(違うか)

Commented by tomokot2 at 2011-04-21 11:07
bijouさん

平日の夜にお客さんがちゃんと入ってましたしね。
人気演目なんですよね。四季ファンの方たちは感動したのかもしれないです。
JCSファンとしては、「時代」に沿った新たなジーザスが観たいな~なんんて思っちゃいます。。。
Commented at 2011-04-21 13:36
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomokot2 at 2011-04-21 13:53
鍵コメさま

お元気でしたか~~~!?

いやもうすっかり「●●ジ―」という省略形ジーザス&俳優名が私の周囲で定着しまして(?)^^
コメ様のおかげですよ。
あとその展示会の件、ありがとうございます。承知しておりますが、
う~ん、行かないなぁたぶん^^;;

チェスのワシントン編は、どんなんだったんだろうって思ってました。
今度、教えてくださいませ~!
Commented by もも at 2011-04-21 18:02 x
あ~、物足りなかったですか~。
私は、けっこう好きだったんですけどね(^^;)
ユダの、抑えても抑えても滲んでいる「ジーザスを好きだ」という気持ちとか、ツボだったんですけど(笑)
ゲッセマネで、ジーザスが「皆、眠るのか」って言うところとか、「あぁ、彼がひとりの男に戻ったんだな」と感じましたし、
歌は正直、もっといけるメンバーなのにな、と思いましたけど、演技は丁寧にやってて、私は好きでした。
ただ、久しぶりに前から2列目の良い席で観たので、そういうプラスアルファもあったかもしれませんね。
でも、なんか好みだったので、私はまた行っちゃいますわ(^△^)
Commented by tomokot2 at 2011-04-21 20:53
ももさ~ん
「ツボ」って人それぞれかと思いますが、でもおっしゃる場面は、分かります^^ あ~確かに、ユダの苦悩、金森さんはさすがでした。

いや~ちょっと、私には控えめすぎな感じがしちゃいました~っ。
四季のストレートプレイは70~80年代にいくつか観ていて、独特の静寂感っていうのかな。
無駄な動きを排除した、舞台上の空気感とか好きでしたよ。金森馨さんの装置や吉井澄雄さんや沢田さんの照明も美しくて。
ジーザスも日生劇場での広々としたセットでエルサレム版を観ましたが、おそらく贅沢に出来てたのかも、あのころのほうが。。。
なので、あのころのジーザス(山口さんバージョン)を胸に焼き付けておきたいかな~私は。
ヘロデは私が観たのは北澤さんっていう俳優さんだったと思いますが、市村ヘロデの妖しさが忘れられないのかも、私。。。
Commented by もも at 2011-04-22 20:42 x
私は、“あの頃のジーザス”を、知らない世代なんです…観たかったわ(;;)
私が、JCSに興味を持った頃は、すでに四季では柳瀬さんまで時代が過ぎており、
山口ジーザスも、市村ヘロデもCDで、ちょろっとしか知らず、憧れ、妄想するばかりでした。
だから、ペルシャ猫さんが、その時代から知ってらっしゃるのは、すごく羨ましいですっ!(><)
過去の舞台で、観てみたいもの、たくさんあります。山口ジーザスしかり…。
でも、そういった意味じゃ、鹿賀ジーザスも観てみたかった。CDでの、カリスマ感、凄かったので…。
Commented by あーりぃ at 2011-04-23 00:28 x
私、その日のマチネ観劇しました(^^)
私の感想といたしましては・・・芝さん上手かったけど
物足りなかった(ToT)何というか、自分の殻に閉じこもって
いるようなジーザスに見えて何よりユダの必然性を感じ得なかった
です。金森ユダはファンとしては嬉しい限りなんですが、これまた
相変わらず歌も演技も好きでしたがちょっと余裕を感じて残念。
いつもカール並みに「この人このまま倒れかねん」位の余裕の無さが
好きなので。でも芝ジーとの演技の絡みが柳ジーはもとより金田ジーの
時よりも少ないからそのせいかな~と勝手に解釈しました。そんな
意味でも芝ジーの演技はやっぱり残念(><)
ヘロデも前の方(名前忘れてしまいました(汗))を気に入っていた
ので今回はあっさりしてるし。。。
とにかく上手いからまた観たいような気もするけどまぁいいか。
っていうなんともいえない感じで今回は終わりました。
あ、あと高音が唐突に感じる違和感は全く同感です(^^;)
Commented by tomokot2 at 2011-04-23 23:59
ももさん

ラッキーだったと思います。
高校時代に担任の先生が四季の女優さんと知り合いで、クラスメイトたちと観に行ったのが、藤野節子さん主演の「ひばり」。
小学生のころ、NHKのこどもミュージカルを観てたけど、本格的なストレートプレイは四季がはじめてだったので、それ以降、舞台を観るようになりました。
「ひばり」に行ってなかったら鹿賀さんのジーザスにも行ってなかったんじゃないかと思います。
鹿賀さんのジーザスは、ほんとに独特な歌い方でCDとはまた全然違っていた記憶がありますよ~^^
Commented by tomokot2 at 2011-04-24 00:09
あーりぃさん

あ、一日違いかも?私は火曜日に行ったので。。。
そうなんですよねぇ。ジーザスとユダの掛け合いのドラマチックなシーンがとってもおとなしかった。。。
芝ジ―(笑)には、かつらとかかぶって欲しくなかったんですけどねぇ。。。

>この人このまま倒れかねん

うんうん、わかるわかる!
私もそういうユダが好き。
あとね、自殺シーンなんだけど、アリ地獄にはまっていくのは
そろそろ違う工夫してくれないかん~なんて^^;

マリアは高木さんだったと思うんだけど、上手でした~。
ただ、いつもながらジーザスとの絡みが少なすぎる気がして、
マリアちゃんが可哀そうな感じがしました~~~。
Commented by J.B. at 2011-04-24 23:23 x
今回の四季のジーザス見ていないのに、語るのもなんなんですが・・・

ペルシャ猫さんが、物足りなく感じたの、分かるような気がします。
私がエルサレムバージョンを見たのは、柳瀬さんがジーザスを演じ始めた頃だったけれど、やはり物足りなさを感じました。
2階席で見たせいかもしれないけれど、舞台のパワーが伝わってこなくて、悲しかった思い出があります。

せっかくのロック・オペラなのに、生演奏じゃないというのもいけませんよね。
昔から、音源が変わっていないと聞いて驚いた覚えもあります。
今は、新しくなっていたりするのでしょうか。

四季のジーザスは、孤高の人というか、弟子たちともマリアともユダとも精神的な距離を感じてしまいます。
人間的な感情を見せてほしいと思ってしまいました。

でも、感動するしない、というのも、好みの問題が大きいのかもしれません。
私が感情の揺れ幅がとても大きかったバルサモジーザスに惚れ込んでいるから、四季のジーザスが物足りなかったのかもしれませんね。
Commented by tomokot2 at 2011-04-26 00:51
J.B.さん

なんかねぇ、ネットでは「感動しました」という感想が多くてねぇ。
でも、私の周囲のミュージカルファンの方たちは、いや~もういいでしょう的なことをおっしゃって今回、ほとんど観に行ってなくって^^;;
いつもはJCSは何人かで行くんですけど、今回は一人でした^^;

>生演奏

うーん(ため息)。一度、生を聴いてみたいです。。。
少し前のスペイン公演もテープだったらしんですが、
日本のは音が小さくて、ズシンズシン響かないのが残念っていうかなぁ。

四季のミュージカル自体が、ちょっともう苦手になってきてしまったかも、私。。。Orz
Commented by kn at 2011-05-06 02:24 x
私も芝ジーザスに感情移入しきれなかったんです・・・
そう!!落ち着きすぎているというか、必死さがあまり伝わらなかったです・・・私には・・・ですけど・・・前回涙が溢れた場面もスル~~っと終わった感じでした。
その後、ネットで手に入れた1976年の鹿賀ジーザス盤は
「やっぱりいい作品だ!!」と何度も聴いています。
芝ジーザス、ジャポネスクでは、どうなるんでしょうね??
Commented by tomokot2 at 2011-05-07 03:09
knさん

>感情移入しきれなかった

そうでしたか~。前回というのは金田ジーザスったのでしょうか?
私は金田ジーザス、好きでした~^^
ただ、四季のジーザスファンの方たちの中には、「神の子」と崇められた実在の人物というよりは、
ファンタジックなおとぎ話のような別世界での出来事として楽しむ方もいらっしゃるようなので、
あまり人間臭くないほうがいいという意見もありますよねぇ。
私は、人間ドラマのあるジーザスが好きです。。。
世間からの期待と、自分が目指す天国の実現のギャップに悩む「人」としての生きざま
それこそ、ジーザス・クライストとスーパースターというのは、相反するものなのだという
そういう衝撃を見せて欲しいな~と思ったりします。

>鹿賀ジーザス

おぉっ。ハマリましたか?^^
私、ナマで聴いたときの「声」を今も忘れることができないです。
レコードとはまた違う歌い方でした。

>ジャポネスク

どんなお顔になっているかな~って
ユダは知ってるけど、ジーザスかぁ、、って、想像・・・つかないです。。。
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