小袖展

d0079799_1111442.jpg東京ミッドタウンのサントリー美術館に『初公開 松坂屋京都染織参考館の名品 小袖 江戸のオートクチュール』を見に行って来ました。展示構成はこちら

素晴らしいという評判は聞いていましたが、週末に出かけることがなかなか出来ずにおりましたら、先日、仕事帰りに立ち寄るチャンスがありました。サントリー美術館は水~土までは夜7時半まで入場可能なのです。
私は、和服が好きで一応ひととおり持っているのですが、正直、『小袖』についての知識は皆無に等しく、今回、この展覧会に行けたことは大変ラッキーだったと思います。(だから私の解説は付け焼き刃ってことでご了承下さいまし★)

入場すると、その薄暗さにちょっと驚きました。なにせ展示物が江戸時代のものですから、保護のために期間中、2回も入れ替えがあったとか。目をこらして、くっくぅーーっ022.gifと見つめるのは少々疲れました^^;

小袖って何?というとですね、うーん、今の私たちが考えている着物姿じゃなくて、浮世絵とかに出てくる女性たちの着物姿を思い浮かべるといいのかなぁと思います。江戸庶民の暮らしだったり遊郭の中にいた美人さんたちの姿。やけにゆるりと着物を羽織り、裾も帯もだらんと長かったりして、柄は素晴らしくカラフル。
もしも今、昔の小袖スタイルを正確に再現すると、コスプレっぽくなっちゃうのかもしれない。テレビで時代劇を見ますけど、どっちかっていうと、今の着物姿に近くないですか?だからあんまり違和感がないのかも。小袖は着物の原型ということで、今、着付け教室で教えている着付けが確立されてきたのは戦後のことだったらしいですよ。

でも、今回の小袖展には、江戸のオートクチュールというだけあって、裕福な武家の女性たちの晴れ着が集結しています。
贅を尽くすとか技巧を凝らすというのは、本来こういうことに使うんだなと思ったくらい、とにかく緻密で繊細且つ大胆な小袖に、私はすっかり参ってしまったのでした。今の着物は振り袖とかを別にすると前身頃部分に模様が集中してると思いますが、小袖はそれこそ全体が「キャンバス」になっています。平家物語をあらわしたものだったり、季節の風景や象徴的な生物たちが描かれていたり、文字をデザイン化して刺繍してあるものもありました。

いや~、この小袖を現代風にして外国の賑々しい場で日本女性が堂々と着ることができたら賞賛をあびるだろうな~と想像してしまいました。今の着物は外国の方たちから、なんで着物の背中にクッションを背負っているの?と言われちゃったりするんですよねぇ。

実際に生身の人間が袖を通したものばかりですから、女たちの執念というと恐ろしいですけど^^、装うということに掛ける情熱はすさまじいし、人間としての気位の高さとかまで伝わってきました。そしてすべてが手作業の職人たちが費やした時間とプライドのようなものも。
何度も仕立て直し、つぎはぎをしたりして生まれかわらせ、最後は掛け軸の表装に使用したりと、受け継がれて行く様も興味深いものがありました。日本人はこういう偉大な文化を継承し、守ることにもっと誇りを持つべきなのではないかなと思いました。(ヨーロッパなんかでのオートクチュール文化の話をききかじると、ちょっと悔しいもん)

このところ格差社会問題とか言われますが、古来、日本にも格差がしっかりあって、そういう時代背景なんかにも想いを馳せました。職人とお客さんをつなぐ「商売」はさぞかし儲かったことでしょう。しかし、芸術はパトロンが支援し、育てなければ発展しなかったというのも歴史の事実なんだろうな~。

それから、どうやら「復元品」として展示されていた色鮮やかな小袖は淀君のだったのらしい?もっとよく見ればよかった。次回は(って、行く気になっている・汗)ヘッドセットをお借りして解説を聞きながらまわろうかしらん。
by tomokot2 | 2008-09-06 12:17 | What's the buzz?


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