1999年の劇団四季の公演プログラムに、ティム・ライスのインタビューが掲載されています。
その中で、非常に印象に残ったのは結びの部分でした。 客観的に見て、『スーパースター』はいい作品なのだと思います。今でも大勢の人をひきつけてやまない『何か』があるんですよ。エキサイティングな『青春』の作品。それが『スーパースター』なんです エキサイティングな青春の作品。 これは、どのように解釈したらいいのでしょうか。 JCSは、二人の若者が情熱を持って世に送り出した、正しく「青春」の作品でした。 そして、その作品は1969年以来、ずっと世界中で上演され続けています。 ティムの言う『何か』とは? 私は、この作品にエネルギーを与え続けているのは、演じる側の情熱なのではないかと思うのです。世界中のJCSの音源や映像を観ると、解釈、演出、美術、演奏される音楽のテンポやアレンジまで、実に自由自在に上演されています。 演じる側、作る側が、実は自分達のオリジナル作品を創作するような気持ちで取り組めるのがこの作品の特徴なんじゃないかなと思います。 実験的なことも、タブーも、言語の違い、宗教の違いも乗り越えて、この作品にぶつかれる。 なんたって、最初にあるのは、台本でも楽譜でもない。レコード2枚なんですもの。 上演権における充分な制約をつけられなかったことは、作者ふたりには忸怩たるものがあるのかもしれませんが、作品には限りない命を吹き込む結果をもたらしたのではないでしょうか。 ジャポネスク初演において、賛否両論物議をかもしだすであろうことを承知で、あえて、あそこまで自分たちの創造性を追及したことは、本当にすごいことだなと思います。しかし、既に、JCSは、ミュージカルの古典となり、ジャポネスクも評価を得ています。 社会的に認知され、評価され完成された日本のJCSが、今回どこまで今日性を持ち得るのか、私には、ちょっとだけ期待よりも不安が大きいですね~。奇をてらった新しいことをしてほしいわけじゃありません。ブログを始めて、様々な世界のJCSに触れた結果、完成より進行形であることこそがJCSを観る楽しみになってしまいました。(映画やDVDは時代を反映した形で、きちんと残されていて、それはものすごい価値があります。でも、舞台は本来そこで消えてなくなるのが魅力だと思います。) ティムの言葉、”エキサイティングな青春の作品” これが私にとって、JCSのキイ・ワードになりました。さて、頭をまっさらにして、客席に身をしずめる瞬間を待ちます。 追記:ジャポネスク初演当時の資料は、少しずつアップしていきたいと思ってます。。。。
by tomokot2
| 2007-05-20 00:47
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