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マリーアントワネット
マリーアントワネット_d0079799_12201665.jpgある方から大変ありがたいお申し出をいただき、チケットを手にした私は、ミュージカル☆マリー・アントワネットを観て参りました。

原作は遠藤周作の「王妃マリーアントワネット」ですが、残念なことに読んだことがありません。でも、池田理代子の「ベルサイユのばら」に熱狂した世代なので、何があった時代かはある程度分かります。
東宝の鳴り物入りな感じの宣伝広告は知っていましたが、私の目的は明確でした。

山口祐一郎と鈴木綜馬(えー、そうです。二人ともかつて四季でジーザスを演じました)が出演しているので、この二人をよく見てくる!というのが今回の私のとっても重要なポイントでした。

山口祐一郎は、さすがの歌唱力でした~。客席の女性達のアツイアツイ視線も充分に計算に入れているあの余裕と貫禄は、デビュー当時の彼を知る私には隔世の感がありました。
だって~いっつも、あの長すぎる手足をもてあましている感じがあったんですよ~。それが今は彼の武器になって女性たちの心を震わせているんだから~。いや~ご本人も努力なさったのでしょうね・・・。

鈴木綜馬は、四季時代は芥川英司という芸名で、ジーザスも演じたのですけど、私は彼の四季時代の舞台は記憶にないので全く見たことがないのだろうと思います。たぶん「エリザベート」で観たのが初めてだったかな~。今回のオルレアン公役は、本人が相当気に入って演じているようでした。メイクがシザーハンドみたいで面白かった。もしかしたら、NYのオフブロードウェイあたりでかかっているような小作品とかに出たらすっごくいい味出すんじゃないかな~と感じました。「ノートルダムの鐘」のフィーバスも歌っているようなんですが、ほんとにもっと歌を聴いてみたいなと思いました。上手でしたけど、果たしてオルレアン公が彼の本当に得意とする声域にあっているのかな~という気がしました。高音パートのある曲を与えられたらどんなふうに歌うのか、とっても興味がわきました。

音楽は、あまり心に残るものはありませんでした。ダンスらしいダンスシーンもないし、全体的に動きに乏しいという印象でした。
それと装置もいまひとつだったな~。

涼風さんは、メイクがキラッキラしていてきれいでした。目元に輝くラインストーンみたいなの?をつけているせいだったのかな。そればっかり見てました私。あとは、笹本玲奈、土居裕子、今拓哉、石川禅、山路和弘は、役に忠実だったという感じでしょうか。

2階席に女子高校生らしき団体がいて、開演前とかに騒がしかったことと、あとたぶん、涼風ファンなのかな~宝塚時代から応援しているファンの方たちがいらしていたのか(?)、そんな感じで女性たちが大歓声をあげて拍手したりしてました。

で、以下に続きます↓




マリーアントワネット_d0079799_12222678.jpgアントワネットの衣裳に迫力がないっていうのかな~。おしゃれに心血を注いだ彼女はこういうドレスは着ないだろうな~という安っぽいドレスばかり。凹凸がなさすぎました。もっと胸を強調し、彼女の美しさをひきたたせるようなドレスを着せてあげたかったな~。残念です。

脚本は、遠藤周作の原作を生かしてくれたのかな~と疑いたくなりました。
民衆の苦しみも素人が書いたプロレタリア文学作品のような薄っぺらさで、説得力も迫力もドラマ性もなくて、カリオストロという狂言廻しも、ミュージカル作品を見慣れたファンには新鮮味のあるキャラではなく、物足りないというか、存在そのものを疑問視したくなりました。山口さんはメッチャかっこよかったんですけどね。

自由とか平等とかを表面的に扱いすぎていて、ちっとも感動的に伝わってきませんでした。

そして、ミュージカルである必要があったのだろうかという音楽にはがっかりしてしまいました。普通のお芝居にも音楽はつきものですから、そういう意味では充分な音楽だったと思いますが、ミュージカルとしては・・・・。印象的な序曲もテーマソングもないというのは痛い。。。

作品的には、残念でした。ほんとに、ゴメンナサイでした。
今回の収穫は、やっぱり役者さんたちを見ることにありました。この目的達成には大変満足しております(ありがとうございました!)。

まったくの蛇足ですけど、
私の知人に、陰で「マリーアントワネット」と呼ばれている子がいて、ご主人のことは私たちは「ベルサイユ宮殿の庭師」と呼んでいます。彼女は誰の真似もしない強さと、きちんとした装いをする人ですが、女性には嫌われることがないんですよ。そして、ご主人がまた腰の低い方で(夫婦ふたりっきりのときは結構だんなさんが強いらしいけど)、私たちは愛情をこめてユニークなカップルを、誰からともなくそのように呼ぶようになりました。

ドレスも何もなくても王妃様と呼びたくなるような彼女のことを思い出しながら、舞台のお姫様や貴婦人方をながめてまいりました。。。。
by tomokot2 | 2007-04-28 13:01 | ペ猫が観た舞台・ライブ


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