Eric Woolfson's POE - More Tales Of Mystery & Imagination
d0079799_13143028.jpg1996年にロンドンでJCSの25周年リバイバル公演がありました。そのときにジーザスを演じたのがスティーブ・バルサモ。

彼のゲッセマネを聴いてから、その声のとりこになりました。1996年公演のオフィシャル盤とライブのブートを聴きましたが、どうしてももっと声が聴きたくなって、彼のバンド、The StorysのCDと元アランパーソンズプロジェクト(APP)のEric Woolfsonのアルバム「- Poe - More Tales Of Mystery & Imagination」のCDを買ってしまいました。スティーブは「POE」役で参加しています。

江戸川乱歩のペンネームの由来は有名ですが、世界中に熱烈なファンをもつエドガー・アラン・ポーの数奇な人生と作品に触発されたWoolfsonが、APPとは別に個人的に長い歳月をかけて完成させたのがアルバム「POE」。ミュージカル形式の作品ですから、APPのファーストアルバムの続編と思って聴くとイメージがかなり違うと思います。

d0079799_19224860.jpg「POE」を聴いてみると、全体の雰囲気がすごくロマンチックなんですよね。ポーってこんなお顔なんですけど、一体どんな人だったのか興味がわきました。



1809年、ポーは米国ボストンで生まれました。3歳までに両親が亡くなり、里親に引き取られました。その後陸軍で過ごしたこともありますが、ジャーナリズムの道に入り、編集者として、また執筆活動で生計を立てていきます。
ポーは27歳のとき、従姉妹のヴァージニアと周囲の大反対を押し切って結婚。いとこ同志で、そのうえ彼女はまだ13歳だったのです。ポーは幼い妻に限りない愛を注ぎます。しかし、ヴァージニアは間もなく肺結核を発症してしまいます。ポーの実の母と同じ病気でした。

ポーとヴァージニアが暮らしたNY、ブロンクスの一軒家は一般に公開されていて、昨年、日本テレビが取材していました。(番組は観ませんでしたが、取材当時、その家の地下には作家志望の男性が管理を兼ねて暮らしていたそうです。)


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ポーの詩の一節・・・これはポーの死後2日目に『ニューヨーク・トリビューン』紙に掲載されました。

「ぼくは一晩中、いとしい人の傍らに身を横たえる。
  いとしい人 ぼくの命、ぼくの花嫁」 (「アナベル・リー」より)

諸説あるようですが、子供のいなかった二人は、純愛を貫いたのではないかとさえ言われていて、この貧しくも甘い二人の愛にスポットをあてたのはよかったけど、日テレは番組のBGMに全然関係ない曲を選んじゃいました。この番組では、絶対バルサモが歌う「POE」の中の一曲、「Tiny Star」を使うべきだったぞ!と言いたい。甘い声で♪目を閉じてゆっくりお休み、my baby♪って歌われたら、幸せすぎて・・・眠れない子守歌なんですけどね(^_^;)
JCSで、疲れ切ったジーザスに「今夜はすべてを忘れて眠りましょう。」とマリアに歌ってもらうのと逆の立場だわねぇと、一人でうっとり・・・しております。

24歳の若さで亡くなるヴァージニアも、死期の近いことを知ってか、夫にこんな言葉を遺したといいます。「私が死んだらあなたを守る天使になるわ。」

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d0079799_195369.jpgさて、ミステリーの起源と言われる『モルグ街の殺人』が発表されたのは、1841年。日本の歴史でいうと、水野忠邦の天保の改革の頃なんだそうです。

その他ポーの代表作には、『黒猫』、『黄金虫』、『アッシャー家の崩壊』、『赤い死の舞踏会』、『早過ぎた埋葬』などがあります。

この2枚は、ポーの詩集の挿し絵なんですが、とてもじゃないけど、甘い恋愛を実生活で生きているポーと、彼の作品群のほとんどはかけ離れている気がします。

1847年に、ヴァージニアはブロンクスの一軒家で亡くなりました。もともとポーは妻の看病中から精神不安定になっていましたが、愛妻の死が彼の飲酒量を増やし、常軌を逸した行動に走らせます。薬物による自殺未遂もしたそうです。ポーは昔の恋人のもとに走るのですが、妻の死から2年半後、わずか40歳で路上で危篤状態で発見され、数日後、帰らぬ人となりました。

さて~、付け焼き刃な調査ですが、これがどうやってミュージカルになるんだろう。私の印象ですが、ウルフソンが描こうとしたテーマとしては、自分が現実と信じているものが実は夢の中の夢なのではないか・・・ということかな~。しかし、ポーの魂は永遠に生き続ける。それが最後のImmortalという曲に集約されているようです。ポーはあまりにも傷つきやすく、もろく、でも必死で愛そうとする。それが私たち人間ひとりひとりの姿なのかもしれません。私たちは現実の世界に踏みとどまってバランスをとるけど、ポーはイマジネーションの世界に入り込んでしまった。

以前、ブログ記事でもご紹介しましたが、「POE」の公式サイトがあるので、そこでさわりの音楽を聴いたり、写真を観ることが出来ます。

d0079799_205118100.jpgd0079799_20554889.jpgWoolfsonは、スティーブ・バルサモという圧倒的な歌唱力と表現力をもつシンガーと出会えたことがどれほど幸運だったかしれないと言っています。彼のお陰で想像を超える高度な作品を創り上げることが出来た。「POE」は、スティーブに捧げられたも同然なんだそうです。

バルサモさんもコメントで、アルバムの出来にとても満足している。エリックの音楽と自分の歌い方が結ばれたことで、今のところ自分の歌を録音したなかでは最高だと思うし、こんな経験はしたことがないと言っています。2003年当時のことです。結局、この「POE」プロジェクトは、showcaseのみで正式な舞台にのることはありませんでした。残念なことです。

で、CDを取り寄せて、聴いてみた感想ですが、本当に彼自身、あらゆる「声」を使って歌っています。確かにバルサモさんじゃなかったら苦しいでしょうねぇ。すごい難しい歌ばかりですもの。歌い上げるアリアあり、早口のトーキングあり、甘いラブソングあり、ポーの多面性を表現しなくてはならない難しいパートです。

バルサモもすごくロマンチストだと思うんですよね。絵を描いたり曲を作ったり。そして、亡き母への想い。ポーと違って、バルサモさんの場合はお母さんは彼の成功を見てから亡くなりましたけどね。ポーの母親に対する憧れには共感するところがあるんだろうなと思います。

少ない情報しかありませんが、YouTubeで音源を見つけてきました。
アート制作をやっている人が趣味で、自分の作品に曲をのせてYouTubeで公開しています。アートワークはそれなりに雰囲気はありますが、まあ~そっちは置いておいて、音楽だけ聴いてみてください。Wings of Eaglesという曲です。私のお気に入りのひとつなんですが、終盤ものすごく盛り上がる前に途中で切れているのがとっても残念です。

で、こちらは2004年のオランダでのミュージカルイベントでスティーブバルサモが歌うImmortalです。彼の髪型がちょっといただけませんが^^;、声はやっぱりステキです。

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「POE」 収録曲
1. Angel of the Odd
2. Wings of Eagles
3. Train To Freedom
4. Somewhere in the Audience
5. The Bells
6. The Pit and the Pendulum Part 1
7. The Pit and the Pendulum Part 2
8. The Pit and the Pendulum Part 3
9. The Murders in the Rue Morgue
10. Tiny Star
11. Goodbye To All That
12. Immortal

スティーブ・バルサモが好きな人には、是非聴いて欲しい彼の魅力がつまったアルバムです。
あ~でも舞台で彼を観てみたい!聴いてみたい!・・・・できればジーザスを!観客が「これが人間の声?」と息を呑んだというスティーブのジーザスを!

Poe: World Premiere Performance [DVD] [Import]


Poe: More Tales of Mystery & Imagination



by tomokot2 | 2006-11-22 00:01 | 音楽・映画・MUSICAL | Comments(6)
Commented by J.B. at 2006-11-22 03:45 x
「POE」は私も大好きなアルバムです。
いろいろな楽曲があって,楽しめますよね。バルサモファンじゃな方にもも,お勧めしたいアルバムです。ファンは必聴です!

それにしても,ペルシャ猫さんの情報収集はすごいです!
私「POE」が大好きなくせに,ポーについても何も調べませんでした。いつか,ポー全集を買って読めば,このアルバムの元ネタがわかる部分もあるのかしら,と漠然と考えていただけで,未だ実行に移せず・・・ ポー本人についても,何も知りませんでした。
いろいろ教えていただけて,うれしかったです。

showcaseは,きちんと映像が撮られていて,DVDで出す,という話だったのに,出なかったんですよね。
どこかの大金持ちが,ウエストエンドで上演させてくれませんかねえ。おもしろそうなのになあ・・・
それが無理なら,せめてshowcaseのDVDを出してください!
Commented by ニセリッチー at 2006-11-22 08:47 x
へぇ、ポーにもこんなアルバムが出来ていたとは!
私は作家としてよりも、詩人としてのポーが好きです。
「アナベル・リー」がJCSのBlogに載るなんて!
Commented by tomokot2 at 2006-11-22 10:10
J.B.さん

>ファンは必聴です!

はい!ファンは絶対聴け~っ♪ちょっと遠慮気味でしたね、私(^^)
情報収集ってほどでもないんですが^^;アルバムの収録曲がフルストーリー分には全然足りないと思ったし、オフィシャルサイトのロマンチックなラブストーリーっぽい写真はどういうシーンなのか気になって。ポーはどんな恋愛をしていたのか知りたくなったんですよね。そしたら13歳の花嫁だったとは・・・。スティーブはどういう思い入れあったのかなとか。想像の域を出ませんが。

DVDの話があったんですか!?ウルフソンってもしかして気まぐれ?彼がもっと熱心になってくれればいいのになあ。今何やってるんだろう彼。

そうそう、私あのサイトからCD買おうとしたら日本からの決済は受け付けないだって!おいおい!日本を甘くみちゃいかんよ(笑)
Commented by tomokot2 at 2006-11-22 10:19
ニセリッチーさん

詩集ですね。本屋で見てきます。実はポーについてはほとんど知らないのですよ、私。

このサイト、色々、自由に書くことにしたんです。
JCSに始まって自分の興味があちこちに伸びていっている感じなんで。好きな俳優さんやミュージシャンについて知りたいから、自分の為にも調べちゃったり、CD取り寄せたり。
ニセさんも音楽だけじゃなく、ブラックジョークからサッカー、リラックマちゃんとか話題豊富だし~。ニセさんのような深い知識はございませんが、ミーハー的に物事にせまってみたいなと思っております。

APPのファーストがポーだったというのも今回はじめて知りました。ウルフソンはその後もずっとポーにこだわっていたというから面白いなと思いました。オペラやミュージカル書いてみたいと思っているミュージシャンって案外多いんですね~。
Commented at 2006-12-12 00:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomokot2 at 2006-12-12 01:50
非公開コメントを下さった皆様方へ。

どうもありがとうございます!!

私からは非公開でのお返事ができませんが、読ませていただいております。それから、右の欄の最新コメントの欄に新着コメントが出るようになっているのですが、その時点では私には「非公開」というマークは見えません。コメント本文に行って初めて2ミリ四方の「非公開」マークが見えるという状況ですが、これがうっかりすると見落としてしまうようなわかりづらいものです。返事を書いてから気づいたりして、私からの返信を一瞬ウェブに乗せてしまったことがありました。気づいて削除しましたが、申し訳ありません。以後、気をつけますm(_ _)m

折角の非公開コメント機能ですので、皆様もどうぞご活用下さいませ。
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